性感染症
性感染症
セックスによって感染する病気の総称です。
STDは特別な病気ではありません。おかしいと感じたら早めの診察を受けることが大切です。
性感染症の症状
自覚症状として外陰部の痛み、かゆみ、おりもの性状変化といった不快感をともなうことが多いです。最近ではオーラルセックスによる咽頭部の感染も増加してきています。
性感染症の種類と特徴
名称 | 特徴 |
クラミジア感染症 | クラミジア・トリコマティスという微生物によって起こる感染症。感染するとおりものがわずかに増えたり、排尿時に軽い痛みを感じたりしますが、その他の自覚症状に乏しいため、感染に気づかないまま過ごしてしまうことも多く、知らないうちにパートナーにうつしてしまう危険性が高いのが特徴です。 |
性器ヘルペス | 単純ヘルペスウイルスによって起こる感染症。感染後2日~1週間ほどで発病し、外陰部や腟に米粒大の赤い水疱ができます。これが破れて激しく痛み、あまりの痛さに排尿や歩行が困難になったり、発熱したりすることもあります。一度治っても、からだの抵抗力が落ちたときに再発することがあります。 |
尖圭コンジローマ | ヒトパピローマウイルスというウイルスによって起こる感染症。感染後3週間~3ヶ月ほどで外陰部、肛門付近に白や灰色のイボができます。増殖したイボはやがてカリフラワーのようなかたまりになり、軽いかゆみや灼熱感を伴います。再発しやすいので、徹底的に治すことが大切です。 |
トリコモナス腟炎 | トリコモナスという寄生虫によって起こる腟炎。黄色く泡立ったような、悪臭を伴うおりものが増え、外陰部が痛がゆくなります。まれに不潔なトイレや浴槽などでうつることもありますが、たいていはセックスによって感染します。 |
カンジダ腟炎 | カンジダ・アルビカンスというカビが腟に繁殖して炎症を起こします。このカビはふだんから体内に住んでおり、病気や疲労、妊娠でからだの抵抗力が落ちたときや、抗生物質を服用したときなど、腟の自浄作用が弱くなったときに発病しやすくなります。発病すると、豆腐カスのような白くポロポロしたおりものが増え、外陰部に焼けつくような激しいかゆみが起こります。再発しやすいので注意が必要です。 |
淋病 | 淋菌症。女性が感染すると3~9日後、陰部の不快感や異臭のある黄色い膿のようなおりものが増える程度ですが、男性が感染すると排尿痛や尿道口から膿が出るなど、女性よりも自覚症状が強いのが特徴です。症状が進むと感染が子宮から卵管まで広がり、激しい下腹部痛と発熱が起こり、不妊症の原因になることがあります。近年、オーラルセックスにより淋菌が喉に感染して咽頭炎を起こすケースもよくみられます。また、淋菌は目に感染すると失明することもあります。 |
梅毒 | 梅毒トレポネーマという細菌によって起こる感染症。感染して2~3ヶ月たつと、からだ全体に発疹などの皮膚症状がでるほか、外陰部や肛門付近にただれのような小豆大のできものがあらわれ、微熱やだるさを感じます。早期に治療を開始すれば完治しますが、進行すると脳の神経が侵され廃人のようになってしまうことがあります。最近増加傾向にあります。 |
HIV感染症 | エイズはヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって起こる感染症で、全世界はもとより、国内の感染者も年々増加しています。主に、血液、精液、腟分泌液を介して感染するため、感染経路としてはセックス、輸血、注射器の回し打ちなどがあげられます。なかでも最も多いのがセックスによる感染でここ数年は異性間、同性間ともに急激な勢いで増加しています。感染すると、2~8週間でかぜのような症状が出ることもありますが、ほとんどは気づかないことが多く、その後は無症状のまま数ヶ月から十数年の長い潜伏期間が続きます。 |
性感染症の検査
内診で腟分泌物検査、血液検査を行います。
性感染症の治療
治療には内服薬、注射、腟坐薬・軟膏を使用します。
感染症にかかっていたら必ずパートナーに話して検査を受けてもらうようにしましょう。男性は泌尿器科などで受診してください。
性感染症の予防
- パートナーを特定しましょう。
- 清潔なセックスを心がけましょう。
- コンドームを上手に使いましょう。